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2016年05月20日(金)

細見美術館の杉本博司さん展 [伝統工芸の職人たち]

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今日も今日とて京都。
京都大学で
哲学ぶった取材を終えて
細見美術館へ。
杉本博司さんの展覧会が
あまりに素晴らしくて
完全にノックアウトされた。
婦人画報に連載された
謎の割烹が
展覧会という形で再現されてて
そのしつらえのセンスこそ
日本の粋そのもの。
これは必見の展覧会です。
6月19日まで。
3階の茶室でも作品展示が。
ここは京都が誇る
中村さんの大工仕事を愛で、
末富の生菓子と
一保堂のお茶がいただけて
一人で来る京都にはピッタリの場所だと思う。
#京都
#細見美術館
#杉本博司
#いつもすいてるから好き

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Posted by 近藤マリコ at 16時47分   パーマリンク

2014年05月05日(月)

宗達とウォーホル [伝統工芸の職人たち]

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東京国立博物館「栄西と建仁寺」展と、森美術館「アンディ・ウォーホル展 永遠の15分」に連続して出掛けてきた。建仁寺展の方は俵屋宗達の「風神雷神図」が揃っているから。ウォーホル展の方は過去最大の展覧会だから。どちらも行かなくてはいけない、のである。
まずはウォーホル展から。ウォーホルは私にとって特別な作家である。ウォーホルが亡くなったのは1987年2月。学生だった私はその時パリのポンピドゥセンターにいた。シュルレアリズム、ダダイズム、ポップアートという順番で観ていて、ウォーホルの「10人のリズ」の前に来た時、ウォーホルが亡くなったことを学芸員から知らされたのだ。何がどういう状況だったのかはっきり覚えていないのだけど、観覧者が集まってざわざわ話していたので、何があったのですか?とかなんとか聞いたんだと思う。そうしたら学芸員らしき人から訃報がもたらされた。人々は深い溜め息をつき、胸元で十字をきって祈っていた。私は目の前にある作品が、コンテンポラリーアート(同時代の)からモダンアート(現代の)に変わる瞬間に居合わせたことになる。そういう意味で、特別な作家なのである。

そして建仁寺展。こちらは言うまでもなく、国宝・風神雷神図。私が好きな絵や意匠が数々あれど、こと和物に限って言えば、風神雷神図はベスト3に入るほど好きだ。しかも今回の展覧では、俵屋宗達と尾形光琳の両方の風神雷神図が揃って観られる希少な機会ということがあって、もうこれは行かなくてはいけない十分な理由になる。

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これが俵屋宗達

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こっちが尾形光琳


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これは雷神図の帯。
お気に入りでよく締めるので
見た事があるお友達はたくさんいると思う。
大好きな絵が帯になってたら、買っちゃいますよね。

建仁寺展では、風神雷神図の他、油滴天目など多くの名品があるが、お茶好きの方には四頭茶会の空間が会場に再現されているので、ぜひおすすめ。建仁寺を開創した栄西禅師の生誕を祝して毎年おこなわれる四頭茶会の様子が、映像でも空間でも見る事ができるのだ。僧が立ったままお茶を点てるのはちょっとビックリしたけど、どんなにうまく点てる人でもお茶が着物に飛んじゃうだろうなーなんて考えちゃうのは小市民の証ですね。

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ミュージアムグッズの紙ものに弱い私が買ってきたシリーズ。
これは先にお出掛けした友人のお土産でマリリンのポストイット。
私はクリアファイルやチケットファイル、メモにハガキを買いました。

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風神雷神図の紙ものグッズはいっぱい買っちゃった。
便箋、封筒、メモ、ポストイット、
クリアファイル、チケットファイル、
これ以外にもハガキ各種にシールにノート。
完全に買い過ぎです。

こういうミュージアムグッズの紙ものを購入しても、もったいなくて使えないので、新品のまま机の引き出しに何年も入れておくクセがある。たまに引き出しを開けては眺めて、やっぱりもったいないなーと言ってしまい直す。これを繰り返すから、ミュージアムグッズ専用の引き出しはもうてんこ盛りになってしまった。仕方ないので、10年ほど前に購入したハガキや便箋を惜しむようにして使っているのである。我ながらなんとビンボーくさいことか。

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これは思わず買ったユニクロ×MOMAのウォーホルTシャツ。
服っていいですね、どんどん着るから、もったいなくない。
引き出しに入れっぱなしということがないもの。
カジュアルデーはこのTシャツに決まりです!
今夏はウォーホル着て出歩きましょ。

Posted by 近藤マリコ at 21時31分   パーマリンク

2013年10月29日(火)

ドキュメンタリー映画 "紫" [伝統工芸の職人たち]

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10年以上前に購入して、宝物のように大切にしている本がある。染織史家の吉岡幸雄さんによる【日本の色辞典】である。かつて日本のあちこちで植物染めをされてきた日本の伝統色を、古来から伝わる植物と染色方法で再現し、絹の生地を染めて辞典のように仕上がった本で、そこにはうっとりするような美しい色見本とともに、日本の四季の情景が頭に浮かんでくるような色の名前が連なっている。この本を読んで、あるいは眺めて、何度溜め息とともに妄想の世界に浸ったことか。数えきれないほどである。

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これが私の宝物の本。
日本の色辞典。

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中はこんな感じ。たとえば裏葉色とは、葉の表ではなく裏側の色のこと。ただのグリーン、緑ではなく、葉の裏側の少し白みがかった色のことをこんな素敵な表現で話していたんですねぇ。昔の人の鑑賞眼には頭が下がります。

もちろん眺めて溜め息ついてるだけでなく、原稿の資料にしたり、着物の色合いの表現を何度も参考にさせていただいた。また染料である植物についての知識や、地域の祭りや神社の行事にまつわる色の話などが全編に書かれているので、色の日本史として読み応えのある一冊なのだ。

この本の著者である吉岡幸雄さんは、京都の「染司よしおか」の継承者として生まれ、生家の家業を継ぐ前に美術図書出版「紫紅社」を設立している。上記の本はその出版社からの上梓である。美術図書出版でアートディレクターとして成功してから、実家の家業を継ぎ、染織家になっている。いつかこの人を取材したい、と思い続けているが、なかなかそのチャンスには恵まれないでいたところ、吉岡先生のドキュメンタリー映画ができたと聞き、私はもう何週間も前から浮き足立っていた。

映画は吉岡先生のインタビューから始まる。そして日本の色を追う二人の男性が描かれていく。吉岡先生と、染司よしおかで長年染色職人として働き続けている吉岡先生の右腕・福田伝士さんである。吉岡先生が、染料である植物の栽培を復活させて、農家さんと共同作業で研究開発している姿。福田さんが昔の色を実際の染色で実現している様子を、静かな視点で見つめ続ける映画である。ところどころで、二人の男性が語る話には、時に身につまされる思いが募った。失われてしまった色を現代に蘇らせるための涙ぐましい努力。昔の人々の仕事に挑戦する頑固な意志。これら静かな映像を見ていると、わたしたち日本人が失ってしまった色の奥には、人間の愚行がその原因であることが浮き彫りになっていくのだ。

名古屋では、今池シネマテークにて、なんと今週の金曜日までの上映である。きっと地味な映画だから、あまり興業収益が見込めないのでしょうね・・・。DVD化されたら絶対に買うつもりでいるけど、できれば多くの方に観ていただきたいので、日本の色にご興味のある方は、ぜひご覧になってください。名古屋の他は、横浜、京都、大阪、福岡などで上映が決まっているよう。詳細はこちらでご確認ください→ http://www.art-true.com/purple/

Posted by 近藤マリコ at 19時42分   パーマリンク

2013年06月18日(火)

美山荘の眼福は職人の手仕事 [伝統工芸の職人たち]

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羽田に到着したのが6:50。国内線に乗り継ぎ中部国際空港に到着したのが9:10。自宅に辿り着いたのは10時過ぎだった。それからスーツケースを荷解き、洗濯して入浴し、再び旅の準備をした。そう、京都・花背の里へ出向くためである。フランス出張より半年も前から、花背の里にある美山荘に出掛けることは決まっていた。本当ならあと数日パリに留まって週末を過ごすこともできたのだけど諦めた。パリにはまた行けると思うけど、この季節の美山荘にこのメンバーで行く機会は、これから先それほどないと思ったから。

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京都・花背の里で過ごした時間のことは、たくさん書きたいけれど書ききれないので思いきって割愛する。美山荘の素敵なおもてなし術と摘み草料理の素晴らしさについては、多くの著名人が書き記しているのでまぁいいだろう。私にとっては、日本建築の粋が記憶に残る。左官職人の友人が言っていた「土壁の錆」の醸成途中をこの眼で確かめることができたのは何よりの眼福だった。土壁の錆とは、経年により本物の土壁だけに現れる現象のことで、一見するとカビにも見えるため、無知な人は「壁を塗り直して欲しい」と職人にダメ出ししてしまうらしい。手を入れて20年が経つという美山荘の壁はまさにその錆が出始めて、風雅の変化をじっくりと味わえる。職人技術の美しい手仕事は随所に見られ、さすが世に名高い中村工務店さんのお仕事と一人膝を打っていた。中村さんによるお宿は俵屋で何度か経験したけれど、町中とは趣を変えて、自然と一体化した山里らしさがとても心地よい。またこの山里に来られるように、明日からのお仕事に一層力を入れねば、と誓っている。この心持ちがずっと続くといいのだけれど。

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Posted by 近藤マリコ at 20時48分   パーマリンク

2012年07月21日(土)

シャネルと東北の手仕事Vol.1 [伝統工芸の職人たち]

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昨年の東日本大震災以降、ずっと思いつめていたことがある。被災された方々のために私が出来ることは何だろう?と。
震災で多くの大切な命と物がなくなり、悲しみが日本中に渦巻いている真っ最中に、友人の左官職人・挟土秀平氏が「東北には素晴らしい手仕事がいっぱいあったが流されてしまった。職人の高い技術だけでなく、生活の中に崇高な手仕事が生きている地域だったのに」と悔しそうに語っていた。挟土氏が言うように、東北では真冬が農閑期になるため、自分たちの生活道具を作って冬を過ごしていた。暮らしの中で根気よく作られ、連綿と伝え継がれた「なんでもない物たち」。その多くが津波に流され、作り手たちは制作意欲をなくし、まさに貴重な日本の手仕事が、この世から消えゆこうとしている。

職人の手仕事や生き方に深い感銘を受けて、この15年ほど取材を続けてきた私が出来るお手伝いは、彼ら職人を守ることではないのか?彼らの手から生み出された素晴らしい手仕事の品々を多くの人に知らしめることではないのか?そう思いついてから、クライアントへの提案書や企画書に必ず「東北の手仕事」を加えるようにしたのである。私の勝手なる思いがそう簡単にクライアントに通じるわけはなく、一年以上が経過した今年の初夏、やっと思いが実を結んで東北の手仕事を取材させていただけることになった。それが、福島県三島町の伝統的工芸品に指定されている「奥会津編み組細工」である。山ぶどう、ヒロロ、マタタビといった植物の皮を用いて、バッグや籠、ザルなどの生活用品に編まれた物の総称で、素晴らしく繊細で美しい編み目模様と、高いデザイン性、そして丈夫で長持ちすることから、丁寧な生活者たちに絶対的な支持を受けている道具である。

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山ぶどうで編まれたバッグ。福島県がルーツと言われている。奥が木の節を生かした乱れ編。手前がきしめん状に割いた山ぶどうの茎を編み込んだもの。モダンな着物姿にピッタリなので、籠ブームですっかり人気商品になっている。

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こちらはヒロロ細工。紐状のヒロロが編み込まれていて、まるで布のよう。ヒロロには、生成り色を中心に、薄緑もあれば茶色もあり、それらの色を組み合わせるとなんとも優しいグラデーションになるから不思議だ。

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これはマタタビ細工。マタタビは水を含むと膨張するので、米をこぼさず傷つけない。米研ぎザルにピッタリなのだそう。実はこのマタタビ細工の米研ぎザルを昨年末に購入し、年賀状の素材として使用したので、ご覧いただいた方も多いと思う。このマタタビ細工の山を見た時、ついついコーフンしてしまい、クライアントが横にいることをころっと忘れて右往左往。値札と大きさをにらめっこしてしまった。

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というわけで、ミイラ取りがミイラになって購入したのがこのザル。いただいたばかりの沖縄の島ニンニクとパッションフルーツをのせてみた。野菜以外にもいろいろ飾ったり使ったりしてみたんだけど、やっぱり野菜が一番似合いました。

使い込むほど飴色に変化し、丈夫になると言われる植物の籠。これらは、もともと売るためではなく、自分たちの生活のために作られたもの。そこに心豊かな生活の循環があった。マタタビ細工の米研ぎザルは、昔の男達がみな親から作り方を教わったという。結婚したら、夫が作って妻に贈るのが習わしだったとか。こうした生活道具の素晴らしさを、なんとか次代へと繋げていきたいなとつくづく思う。プラスチック製の方が安価で扱いも簡単だけど、そこに愛情や思い入れは生まれない。なんでもない物にも生命力を与え、丈夫さだけではなく美しさをも追求する日本の手仕事。それを紹介していくことが、仕事を通じた私の社会貢献になるのではないかと思っている。今回、東北の手仕事を取材させてくださったクライアントR社のOさん、そして私のワガママな企画をアレンジしてくださった代理店N社のKさん。ここで改めてお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。ホントにちっぽけな貢献でしかないのだけど、震災後一年半を経てやっと、役割の一部を果たせたような気になっています。
あ、ところでタイトルに「シャネル」とあるのに、本文には一言もシャネルが出てきませんでしたね〜。この続きはまた後日。シャネルと東北の手仕事の共通点について書きます!

Posted by 近藤マリコ at 23時45分   パーマリンク

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