LARMESラルム

2017年06月11日(日)

名古屋平成中村座 [伝統芸能の継承者たち]

画像(320x310)・拡大画像(640x621)

今年2月のスターウォーズ展を皮切りに、今月は名古屋平成中村座、来月は大相撲と、名古屋城で開催される文化系活動が活発である。今日も着物美人がたくさん平成中村座に集まっていて、真夏日の名古屋にもかかわらず、着物美人エリアには一服の涼にも似た清々しさを感じた。私も着物で来るべきだったなぁと一人残念がっていたのだけど、会場でお席についてから、やっぱり洋服でよかったと思い直した。お席の前半分くらいはいつもの平成中村座らしく床に座るスタイルだからだ。足が痛いし、着物だとちょっと座りにくく足も崩しにくいのだけど、舞台との一体感は格別なものがある。江戸時代の芝居小屋を再現したいというのが勘三郎さんのご意思だったんですもの。その雰囲気を味わおうじゃありませんか。

画像(128x160)・拡大画像(515x640)

平成中村座が初めて名古屋にやってきたのは、2006年。屋号の中村の名前の由来が、名古屋市中村区であるという説を元にして、中村区にある同朋高校の体育館を芝居小屋に仕立て、確か3日か4日だけの限定公演だったと記憶している。左の写真はその時に記念で購入したTシャツ。同朋高校と書かれているので、これを着ていると、同朋高校の方ですか?と聞かれたことがあったっけ。

画像(160x146)・拡大画像(640x586)

さて、今回は勘三郎さんが亡くなって5年たち、勘九郎さんと七之助さんが後を継いで行う最初の平成中村座。きっと勘三郎さんも名古屋城に来ていて、見守っているんだろうなぁと思いながら、息子の立場になったり親の気持ちになったりしながら、舞台を楽しませていただいた。どんどん勘三郎さんに似てくる勘九郎さん。どんどん美しくなる七之助さん。夜の部の最後は、ご当地名古屋の日舞流派・西川流と深い縁のある演目「仇ゆめ」。狸が傾城に恋をしてしまうが、それが人間に知られてしまい、狸は恋い焦がれる傾城への思いを胸に命を落とすと言うお話である。イヤホンガイドのおくだ健太郎さんのの独自の解釈も加わって、狸(自然と共に生きている立場)と人間(自然を破壊する立場)の関係性やら、父と子の芸の伝承やら、はたまた思いを遂げられなかった狸の非業の死やらを考えてしまい、名古屋城を借景にしたラストシーンには、もう涙を隠すことはできなかった。

画像(160x159)・拡大画像(640x636)
画像(160x137)・拡大画像(640x550)
画像(160x137)・拡大画像(640x551)

勘三郎さんは間違いなく会場に来ているな、と本当に思っていたのだけど、それには仕掛けがあって、隠れ勘三郎アイテムが会場内に18か所あるのだそう。十八世にちなんでなのだろう。こんな楽しい仕掛けも平成中村座ならでは。そしてスタッフの方たちのおもてなし精神にも本当に驚いた。席やトイレの誘導には、マイクを使わずにお客さんの心にちゃんと届くように心を込めて、時折ジョークを交えながら、見事に仕切っておられた。歌舞伎を楽しんでもらいたいという素直な気持ちがホスピタリティとして現れていて、これもきっと勘三郎さんがずっと思い描いた芝居小屋の形なのだろうと思うと、またまた泣けてくるのであった。

Posted by 近藤マリコ at 21時40分   パーマリンク

2016年11月01日(火)

本朝廿四孝 名古屋 むすめ歌舞伎 [伝統芸能の継承者たち]

画像(269x320)・拡大画像(539x640)

ああ、つばさが欲しい、羽が欲しい、
飛んで行きたい、知らせたい・・・・・
恋する女性の心を、義太夫節で表現します。
歌舞伎って、
結局は恋バナだったり、歴女好みのお話だったりしますよね。
日曜日に開催された【本朝廿四孝】通し上演は、
むすめ歌舞伎・狂言・能の演者さんが
女性が演じる女性のたおやかさ
男性が演じる男性の猛々しさ
を見事にコラボされていました。
味わい深い武田信玄役に佐藤友彦さん
悪事を企てる武田家の奥家老に今枝郁雄さん
生命力あふれる上使に鹿島俊裕さん
狂言師さんチームですね!笑
朝顔を使った水口一夫さんの脚色がとても映像的でした。
映像といえば、今回は和紙に投影させて
能舞台を歌舞伎小屋のように演出したのは
映像効果を担当された水谷イズルさんと日栄一雅さん。
水谷さんは現代美術家です。
最後の章は、むすめ歌舞伎を創設した市川櫻香さん。
藤間蘭黄さんによる振付で、切ないほどの女心を舞います。
恋心が募り、ふと気づくと、白い狐になっていた。
好きな人のために、凍りつく湖を狐になって渡ってゆく
純粋がゆえに強すぎるほどの情熱を持つ八重垣姫を
まるで狐に取り憑かれたかのような静かな舞で
櫻香さんは表現されました。
この境地に至るまでの、皆さんのご努力を思うと
本当に頭が下がります。
まるで八重垣姫のごとき純粋な心持ちがなければ
コラボ舞台は作れますまい。
前回の公演から、
歌舞伎役者と狂言師がともに舞台に立つ姿を
知らないうちに見慣れてしまった私ですが、
よく考えたら、すっぴんの狂言師さんと
お化粧した歌舞伎役者が同じ舞台というのは
他では見られないコラボですものね。
演者以外にも、コラボネタはたくさんあって
書ききれないほどです。
むすめ歌舞伎が名古屋にあるということを
名古屋の人たちはもっと誇りに思っていいのではないか
つくづくそう思った1日でした。

Posted by 近藤マリコ at 01時41分   パーマリンク

2016年08月29日(月)

やっとかめ文化祭、今年も! [伝統芸能の継承者たち]

画像(320x153)・拡大画像(640x307)

この10日間で、高山、有馬、京都、箱根に出掛けた。
いずれの地もインバウンドの波を受けて
外国人、特にヨーロッパ系の人が多く旅行していた。
私が驚いたのは、外国人じゃなくて日本人。
言葉が通じずに困っている人を見かけて
私のかたことの言葉で
道案内やメニュー案内(笑)する羽目になったことが
何度かあったけど
ええ格好しいの私は、
ついつい頭の中で先に文章を考えてから
説明しようとするもんだから
かえって分かりにくくなってしまって聞き直されることが多かった。
それにひきかえ、観光地のお店や駅の人々は
かなりのブロークンなんだけど、
単語を駆使して堂々と会話をして成り立っていたのだ。
ひと昔前の恥ずかしがり屋で
英語なんて話せないテイの日本人像とは
明らかに違っていて、
70歳くらいのおばちゃんが
「Try it!」とか言って商品を勧めているのを見ると驚いてしまった。
名古屋あたりじゃあんまり見かけない風景だったからだろうか。
高山駅のお兄さんも
有馬温泉の売店のおばちゃんも
京都のただの通行人のおじちゃんも
箱根のバスの運転手さんも
ちゃんと通じる単語を知ってたもんなー。
名古屋も負けてらんないね。
今日、名古屋の観光資源になりうるだろうと思われる
やっとかめ文化祭2016がいよいよ情報公開になりました。
やっとかめ文化祭には外国人のお客様もいらっしゃいます。
名古屋が誇るべき文化がいっぱい詰まっています。
ぜひ名古屋のまちなかへ、遊びに行きましょう!!!

http://yattokame.jp

Posted by 近藤マリコ at 13時59分   パーマリンク

2016年05月22日(日)

御場かわせみ [伝統芸能の継承者たち]

画像(320x311)・拡大画像(640x622)

昨夜は第二回目の
御場かわせみ@ルマルタン。
今回から、歌舞伎と料理とワインを組み合わせるという暴挙ともいえる企画で笑
内容を考えるのはとっても楽しかったのですが、実践するシェフとソムリエはさぞ大変だったと思います。
演目は、初かつをが登場する髪結新三。そしてカキツバタを意味する八つ橋。
これが料理とワインにどう共鳴したのか、それは参加された方だけのお楽しみですかね→実は写真を撮り忘れました泣。
デザートは2種類で、2番目のデザートは美濃忠の初かつを。かつおを柵切りした時の表面の縞模様が表現されてる名古屋のこの季節限定の銘菓ですね。
これに合わせたお茶は、もうすぐサミットが行われる伊勢の新茶を頑張って淹れました笑。髪結新三には新茶も登場するんです。
とまあ、頭をフル回転しながら楽しんでいただく会なので濃い内容ですが、かなり面白かったのではないかと自己満足しております。
次回は秋ごろに開催したいと思います。どうぞお楽しみに!
#和菓子
#美濃忠
#初かつを
#名古屋の和菓子
#御場かわせみ
#ルマルタンペシュール
#歌舞伎
#kabuki
#かぶき

画像(160x155)・拡大画像(640x622)

Posted by 近藤マリコ at 16時43分   パーマリンク

2016年03月15日(火)

市川櫻香さんプロデュース「力神」 [伝統芸能の継承者たち]

画像(240x320)・拡大画像(480x640)

名古屋で「むすめ歌舞伎」を主宰する市川櫻香さんプロデュースによる、伝統芸能と祭りのコラボ舞台「力神」(りきじん)が名古屋で週末に開催された。愛知県半田市の潮干祭の山車が舞台に組み上げられ、それを背にして、日舞・狂言・歌舞伎が祭りというキーワードをもとにしてコラボしながら演じられてゆく。
同じ演目でも、日舞・狂言・歌舞伎ではそれぞれに全く別の芸能として昇華していて、普段はその枠を超えることはなく、もちろん演者さんたちがともに舞台に立つこともほとんどない。櫻香さんは、その枠を超え、一つの舞台を作り上げてしまったのである。そしてそのベースには常に半田市の潮干祭が存在している。なんというカオス!

舞踊「浦島」は全く新しい解釈によるものだった。
浦島太郎がおじいさんにさせられた本当の理由とは、、、。
太郎が竜宮城で過ごしたのは数日だったけど、地上の世界では何十年も経っていて、今更現実の世界に若いままの太郎が戻っても、両親も知り合いも亡くなっているから、悲しい孤独が待っているだけ。
それならばいっそおじいさんになって戻った方が、太郎にとっては幸せなはず。
太郎を愛する乙姫は、泣く泣く太郎と別れるが、せめて太郎が地上で無理なく暮らすために、太郎をおじいさんにして帰すことを考えた。
なんと重くて(苦笑)、深い愛。
自分勝手な乙姫の愛を受けた太郎は・・・それを舞踊として櫻香さんが挑戦された。

狂言は、名古屋の狂言師である佐藤友彦さんと鹿島俊裕さん。
歌舞伎からは、坂東彌十郎さん。
名古屋を潮流とする和泉流の演目「太鼓負」が12年ぶりにコラボという形で演じられた。大柄の坂東彌十郎さんが見栄っ張り妻を、線が細い狂言師の佐藤友彦さんがひ弱な旦那を演じられた。その面白くておかしくて、でもどこにでもありそうな夫婦の小競り合いと、最後は仲良く一緒に帰り行く夫婦の姿に、ほっと心が和んだ人が多かったのではないかと思う。

舞台は、いつもより1メートル下に設置されていて、山車が目の前に迫るように工夫がなされていた。四季桜と青竹がその周りを飾り、半田市のお祭りが芸術劇場のホールにやってきたという高揚感は、お客様にも伝わっていたように思う。

潮干祭りの一団は小学生の子供から70代と思しき長老まで、男連中が一致団結して警護行列。しかもこのお祭りでは、若者が物事を決めて、年配者はそれを見守るのがルールなのだそう。だからこそみんな生き生きとした表情で祭りを引き継いでいってるのね。素晴らしい宝である。

とりとめもなく書き連ねてしまったので、最後に坂東彌十郎さんがおっしゃったことで心に残っている言葉を記しておく。彌十郎さんは猿翁さんから教えてもらった言葉なのだそう。

なによりも基本が大事。
基本の型を知っているからこそできるのが、”かた破り”。
基本を知らずに型のない人がやることは、”かた無し”。

Posted by 近藤マリコ at 01時15分   パーマリンク

過去の記事へ

ページのトップへ ページのトップへ



RSS2.0 powered by a-blog