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2017年06月11日(日)

名古屋平成中村座 [伝統芸能の継承者たち]

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今年2月のスターウォーズ展を皮切りに、今月は名古屋平成中村座、来月は大相撲と、名古屋城で開催される文化系活動が活発である。今日も着物美人がたくさん平成中村座に集まっていて、真夏日の名古屋にもかかわらず、着物美人エリアには一服の涼にも似た清々しさを感じた。私も着物で来るべきだったなぁと一人残念がっていたのだけど、会場でお席についてから、やっぱり洋服でよかったと思い直した。お席の前半分くらいはいつもの平成中村座らしく床に座るスタイルだからだ。足が痛いし、着物だとちょっと座りにくく足も崩しにくいのだけど、舞台との一体感は格別なものがある。江戸時代の芝居小屋を再現したいというのが勘三郎さんのご意思だったんですもの。その雰囲気を味わおうじゃありませんか。

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平成中村座が初めて名古屋にやってきたのは、2006年。屋号の中村の名前の由来が、名古屋市中村区であるという説を元にして、中村区にある同朋高校の体育館を芝居小屋に仕立て、確か3日か4日だけの限定公演だったと記憶している。左の写真はその時に記念で購入したTシャツ。同朋高校と書かれているので、これを着ていると、同朋高校の方ですか?と聞かれたことがあったっけ。

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さて、今回は勘三郎さんが亡くなって5年たち、勘九郎さんと七之助さんが後を継いで行う最初の平成中村座。きっと勘三郎さんも名古屋城に来ていて、見守っているんだろうなぁと思いながら、息子の立場になったり親の気持ちになったりしながら、舞台を楽しませていただいた。どんどん勘三郎さんに似てくる勘九郎さん。どんどん美しくなる七之助さん。夜の部の最後は、ご当地名古屋の日舞流派・西川流と深い縁のある演目「仇ゆめ」。狸が傾城に恋をしてしまうが、それが人間に知られてしまい、狸は恋い焦がれる傾城への思いを胸に命を落とすと言うお話である。イヤホンガイドのおくだ健太郎さんのの独自の解釈も加わって、狸(自然と共に生きている立場)と人間(自然を破壊する立場)の関係性やら、父と子の芸の伝承やら、はたまた思いを遂げられなかった狸の非業の死やらを考えてしまい、名古屋城を借景にしたラストシーンには、もう涙を隠すことはできなかった。

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勘三郎さんは間違いなく会場に来ているな、と本当に思っていたのだけど、それには仕掛けがあって、隠れ勘三郎アイテムが会場内に18か所あるのだそう。十八世にちなんでなのだろう。こんな楽しい仕掛けも平成中村座ならでは。そしてスタッフの方たちのおもてなし精神にも本当に驚いた。席やトイレの誘導には、マイクを使わずにお客さんの心にちゃんと届くように心を込めて、時折ジョークを交えながら、見事に仕切っておられた。歌舞伎を楽しんでもらいたいという素直な気持ちがホスピタリティとして現れていて、これもきっと勘三郎さんがずっと思い描いた芝居小屋の形なのだろうと思うと、またまた泣けてくるのであった。

Posted by 近藤マリコ at 21時40分

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